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データをダウンロードした際には正しく表記されます。
はじめに
4年生国語の説明文「思いやりのデザイン」と「アップとルーズで伝える」は、どちらも情報を的確に伝える工夫がテーマです。これら2つの教材を通じて、次の3つの力を育てます。
プリントはWordで作ってあるので、ダウンロード後に変更が可能です。ご活用ください。
学習の3つの柱
- 文章の組み立てに気をつけて読む
- 筆者の考えをとらえる
- 自分の考えをまとめる
「思いやりのデザイン」は、「アップとルーズで伝える」を読む前段階の導入教材として扱い、読解の基本を丁寧に確認します。
「思いやりのデザイン」授業展開
【1】文章の組み立てに気をつけて読む
◆(1)段落の要約に取り組む
文章構成をとらえるために、各段落の要約を行います。
書くことが難しい児童には「大事な一文をそのまま写す」ことから始めてもよいでしょう。
要約例:
- 第1段落:インフォグラフィックスとは、伝えたいことを見える形にしたものです。
- 第2段落:筆者は、相手の立場に立ってインフォグラフィックスを作ることを大切にしています。
- 第3段落:Aの案内図は全体像がわかりやすいが、目的地が分かりにくい場合があります。
- 第4段落:Bの案内図は道順がわかりやすいが、全体がつかみにくいです。
- 第5段落:インフォグラフィックスを作るときには、相手の立場で考えることが大切です。
◆(2)段落同士の関係をつかむ
発問例:
- 教員「第2段落と同じことを伝えている段落はどこですか?」
→第5段落・インフォグラフィックスを作るときには、相手の立場に立って考えることが大切 - 教員「対比の例を出している段落はどれとどれ?」
→第3段落と第4段落
【2】筆者の考えをとらえる
- 繰り返し登場する表現や、「はじめ・なか・おわり」の構成に注目させます。
- 最終段落(第5段落)「おわり」に、筆者の一番言いたいことが書かれていることが多くあることを確認します。
【3】自分の考えをまとめる
書くときの視点を与えます。
- 見たことのあるインフォグラフィックスについて
- 相手の立場に立って物事を考えた経験について
書ける児童には…
- 本文からの引用を取り入れながら、自分の考えを書くよう指導します。
仕上げの活動(発表)
- グループ内で発表し合う
- 朝の会でスピーチ発表として扱うのも効果的です。
「アップとルーズで伝える」授業展開
「思いやりのデザイン」で学んだ読み方を活かし、こちらの教材でも同じ3段構成で深めます。
【1】文章の組み立てに気をつけて読む
◆(1)段落分けをしながら本文を読む
- 難しい語句(「視点」「効果的」「工夫」など)は事前に確認
- 段落の要点を視覚化するプリントを使うと理解が深まります。
◆(2)段落ごとの要約
- 第1段落:ルーズの例
- 第2段落:アップの例
- 第3段落:問題提起「アップとルーズでは、どんなちがいがあるのでしょう」
- 第4段落:アップの例
- 第5段落:ルーズの例
- 第6段落:それぞれの特徴と使い分けの必要性
- 第7段落:写真にもアップとルーズがある
- 第8段落:アップとルーズを組み合わせて効果的に伝えることができる
【2】筆者の考えをとらえる
発問例:
- 「筆者が一番伝えたいことはどこに書かれていますか?」
→第8段落:「アップとルーズを選んだり、組み合わせたりすることで、伝えたいことをより分かりやすく届けることができます。」
【3】自分の考えをまとめる
書くときの視点:
- 自分が見たことのある「アップ」「ルーズ」について
- 自分なら、どんな場面でどちらを使うか
- 写真・動画・スピーチなど、伝え方に関心のある児童には、発展的にプレゼン活動も可能です。
【4】発表活動へつなぐ
- グループで読み合い、互いに感想や意見を伝え合う
- 発表活動として朝の会でのスピーチ、作品掲示、ロイロノート等ICT活用も可能
おわりに
この2つの教材では、情報を「誰に、どう伝えるか」を深く考える学びができます。児童の生活にも身近な内容だからこそ、体験とつなげて考える発問や活動を工夫することで、より実感をもって理解が進みます。
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