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2:3 はわり算? ― 世界のわり算表記から見る『比』の正体

※Word文書をプレビューで表示している場合、表記にズレが生じる可能性があります。
データをダウンロードした際には正しく表記されます。

はじめに

小学校6年生で学ぶ「比」。比の値を求める際に「2:3は2÷3だから…」と指導する場面があります。
しかし実は、「2:3」という表記がそのまま“わり算”の記号として使われている国もあることをご存じでしょうか?
世界の「わり算記号」と「比」の関係性を整理し、指導のヒントを提供します。


世界の「わり算記号」とその意味

1. 「:(コロン)」をわり算として使う国

主にヨーロッパ圏(フランス、ドイツ、スウェーデンなど)では、「:(コロン)」が割り算の記号として使われることがあります。
例:6:3=2
このように「コロン=÷」という感覚で使われるため、「2:3」は「2÷3」と自然に理解されます。

2. 「/(スラッシュ)」をわり算として使う国

英語圏(アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど)では、「/」をわり算の記号として使います。
例:6/3=2
また、分数表記としても 2/3 のようにスラッシュが使われ、「2 ÷ 3」と同義として理解されます。

3. 「÷(オブエリスク)」を使う国

日本や韓国、中国の一部では、「÷」というオブエリスク記号がわり算の記号として一般的です。
例:6÷3=2
この表記は学校教育においても標準で、日本では「÷」と「/」は意味が同じと教える場合が多いです。

4. その他の表記

・ギリシャ語では「:」と「÷」の両方が使われることがあります。
・一部のプログラミング言語では「/」が標準です。(例:Python, JavaScript)
・アラビア語圏では「/」が使用されますが、右から左に読むため順序に注意が必要です。


「比」と「わり算」の関係

比は、ある数量が別の数量とどのような割合で対応しているかを示す概念です。
例えば、「赤2個、青3個」の場合、赤:青=2:3という比を表せます。
ここで「比の値」は2÷3=0.6666・・・

と計算されるため、比とわり算は密接に関連していると言えます。

海外ではこのような計算を行う際、「:」がわり算の意味を持つ国であれば、
「比(ratio)とわり算(division)はほぼ同義」として理解されやすくなります。
日本では「:」が主に“比”に使われ、「÷」が“わり算”に使われるため、この違いを意識した指導が重要です。


おわりに:指導のポイント

  • 比「2:3」は、「2 ÷ 3」と数値で解釈できることを明確に伝える
  • 「比」と「わり算」の表記が国によって異なることを例示する
  • プログラミングや英語圏の数学では「/」が使われることも紹介する
  • 生徒が「:」や「/」の意味に混乱しないよう、日常的な文脈でも触れておく

このような背景を知っておくことで、子どもたちにとっても比の概念がより深く理解できるでしょう。

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