※Word文書をプレビューで表示している場合、表記にズレが生じる可能性があります。
データをダウンロードした際には正しく表記されます。
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「体育」は、いつの時代も子どもたちの“好きな教科ランキング”で上位に挙がる人気科目です。しかし、好きな子ばかりではないのも事実です。運動に苦手意識がある子や、勝敗ばかりが気になってしまう子にとっては、体育が憂うつな時間になっているかもしれません。
すべての子どもが前向きに参加できる体育の授業をつくるための、ちょっとした工夫を紹介します。大きな指示の声や競争だけに頼らず、子ども自身の内面からやる気を引き出す仕掛けを意識してみましょう。
1. 「総合得点表」で、誰もが主役になれる体育を
体育の授業では、リレー・サッカー・鬼ごっこ・タグラグビーなど、競争要素の強い活動が多くなりがちです。確かに盛り上がりますが、勝敗がはっきりしている分、どうしても目立つ子と目立たない子の差が大きく出てしまいます。
そこでおすすめなのが、下のような「総合得点表」の活用です。(画像をクリックでダウンロード可能です。Word形式なので変更が可能です。)

▼ 子どもたちの行動すべてを得点化する
私は体育の授業で、以下の3つの合言葉を掲げています:
- なかよく(協力・思いやり)
- かしこく(作戦・工夫)
- がんばる(全力・意欲)
これらの観点に沿って、子どもたちの行動すべてをポイント化します。
行動の例 | 丸の数 |
---|---|
試合に勝った | 〇〇〇(3点) |
引き分け | 〇〇(2点) |
負けたけど最後まで頑張った | 〇(1点) |
チームで声をかけあっていた | 「なかよくポイント」〇(1点) |
工夫ある作戦で動いていた | 「かしこくポイント」〇(1点) |
素早く集合・整列できた | 「がんばるポイント」〇(1点) |
単元の終了時にはこのようになります。

掲示用の得点表は、A2〜A1サイズで大きく印刷し、体育館や運動場に掲示しておくと効果的です。ゲーム中に丸をつけていくことで、子どもたちの行動が可視化され、モチベーションが持続します。
▼ 「目立たない頑張り」もきちんと評価する
試合に負けた子や、目立たない子にもスポットライトを当てるのがポイントです。例えば、
「□□チームの○○さん、最後までボールを追いかけていたね!」
と授業の終わりに紹介し、追加でポイントをつけてあげると、その子にとって一生忘れられない体育の時間になります。
この方法は、ゲーム性のないマット運動や走り高跳びなどの単元でも有効です。
ぜひダウンロードしてご活用ください。
2. 授業スタートは「リズム挨拶」でテンポよく!
体育の始まりは、服装・体調のチェックが欠かせません。でも、早く動きたくてウズウズしている子どもたちを長時間待たせるのは逆効果。そこで私は、リズム感のある合言葉を使って短時間でチェックを済ませています。
▼ リズム挨拶の例
教員「服装チェック!」 → 子ども「はい!」
教員「ぼうし!」 → 子ども「よし!」(帽子をさわる)
教員「シャツ!」 → 子ども「よし!」(シャツをさわる)
教員「くつ!」 → 子ども「よし!」(くつを指さす)
教員「元気!」 → 子ども「よし!」(片手を上げる)
教員「お願いします!」 → 子ども「お願いします!」(礼)
テンポよく確認でき、子どもたちの集中力もアップします。ただし、リズムに乗ってノリだけで「よし!」と言ってしまう子もいるので、教員はしっかり実際の様子を見て判断してください。特に体調面は、朝の健康観察の内容も参考にしましょう。
3. 優勝チームには「賞」と「思い出」を!
単元の最終回には、これまでの得点を集計して優勝チームを発表しましょう。ここでさらに盛り上げるために、以下のようなささやかな「ご褒美」を用意するのがおすすめです。
賞状(テンプレートあり)
簡単に準備できる賞状は、子どもにとっての「がんばった証」になります。以下のテンプレートを自由に編集してご活用ください。

📎【Word形式テンプレート:ダウンロードはこちら】
優勝カップとペナントリボン
見栄えも良く、思い出に残るのが優勝カップです。ただし、プレゼントするのではなく、ペナントリボンに日付と優勝メンバーの名前を記録して飾る形式にします。

年々リボンが増えていくこのカップは、「歴史あるクラスの宝物」になります。
「お兄ちゃんの名前がある!」と喜ぶ子もいれば、数年後に再び担任した子が「あの時の俺の名前、まだある!」と思い出にひたることもあります。
優勝メダル(1人1個ずつ)
「形として残るものを渡したい」場合は、メダルもおすすめです。1個約35円と安価で手軽に用意できます。
おわりに:体育の授業は“だれでも輝ける場”に
体育の授業は、運動能力だけでなく、協力する力、挑戦する気持ち、楽しむ姿勢など、さまざまな面で子どもたちを成長させる場です。
「勝ったか負けたか」だけでなく、「どう頑張ったか」「どう支え合ったか」にも焦点を当て、すべての子どもが主役になれる体育の授業をつくっていきましょう。
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