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「みんななかよくしよう」「自分の好き嫌いで友達への態度を変えるのはよくありません」という道徳の学習ですが、ふと立ち止まって考えてみると、私たちの日常には「えこひいき」をしてしまう場面が意外とたくさんあります。例えば、旅行に行ったとき、特に仲の良い友達にだけお土産を買ってあげたことがある人もいるでしょう。それは、特定の友達への態度を変えていることにならないのでしょうか?
「そんなことを言っても、全員にあげるわけにもいかないし……」と悩んでしまう、そんな身近なジレンマを取り上げた授業例を紹介します。
題材:「三びきは 友だち」
(日本文教出版 二年生教材)
指導内容
C・公正、公平、社会正義
ねらい
えこひいきをすることは、みんなが悲しい気持ちになることを理解し、自分の好き嫌いにとらわれず、誰に対してもえこひいきしないで接していこうとする態度を育てる。
授業の流れ
① 教科書を読む
「三びきは 友だち」のお話を読み、登場人物の気持ちを考える。
② 登場人物の気持ちを考える
以下の問いをもとに、話し合いを深めます。
(1)花壇がめちゃくちゃになったのは、誰のせいでしょう?
(2)ぴょんたは、どんな気持ちから「ぽんきちさんです。」と言ったのでしょう?
(3)「わんたさんのことは言わないからね。友だちだもの。」と言われたわんたは、どんなことを思ったでしょう?
(4)長い間下を向いて立っていたぴょんたは、どんなことに気がついて、みんなのところへ走っていったのでしょう?
(5)人によって違った態度をとることは、どうしてよくないのでしょう?
③ 価値を揺さぶる場面を設定する
ここで、子どもたちが実際に直面しそうなジレンマを取り上げます。
「人によって違った態度をとることはよくないこと。みんなそう言っていましたね。でも、こんな場面ではどう考えますか?どうすればいいでしょう?」
(1)おみやげの場面
家族と旅行に行きました。仲の良い友達にお土産を買うことにしました。いつも遊ぶ5人のグループがありますが、特に幼稚園の頃から仲の良いA君にだけお土産を買うことにしました。でも、A君にだけお土産をあげることは、人によって態度を変えていることになるのではないかと悩んでしまいました。お金のこともあり、他の友達の分までお土産を買うことはできません。
どうすればよいでしょう? あなたはどう考えますか?
(2)遠足の班決めの場面
来週、とても楽しみにしている遠足があります。一緒に行動する班を決めることになりました。とても仲の良いB子と同じ班がよかったのですが、先生から「その班は人数が多いから、こっちの班に入ってくれる?」とお願いされました。その班には、あまり仲の良くない友達がいます。
あなたならどうしますか? どんな気持ちになると思いますか?
※子どもたちから様々な意見が出ることが予想されます。議論を深めながら、「みんなが悲しい気持ちになること」「自分の好き嫌いで態度を変えてしまうと、どうなるか」を再確認できるようにしましょう。
④ まとめ・結論
話し合いを通して、
- 「好き嫌いにとらわれずに接することの大切さ」
- 「誰も悲しい思いをしないためにどうしたらよいか」
- 「みんなで仲良くするために心がけたいこと」
を振り返り、学びをまとめます。
最後に、子どもたちが自分の生活を振り返り、「これからの生活で気をつけたいこと」
を一人一人がノートやワークシートに書く時間を設けると、実生活へのつながりがより強まります。
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