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4年生算数「小数のしくみ」の単元について、児童のノート見本を全時間分まとめました。
各ページの周囲には、授業づくりのポイントや発問例、児童がつまずきやすい箇所への支援方法なども掲載しており、ノートをそのまま板書計画やワークシート作成の参考資料として活用できます。
使用教科書は東京書籍ですが、他社の教科書でも数値や表現の違いはあるものの、基本的な学習の流れは共通しているため、広くご利用いただけます。
授業準備の効率化や板書の事前検討などに、ぜひお役立てください。
小数のしくみ(第1時)
小数の導入として、小学3年生で学習した「1より小さい数(0.1、0.5など)」を想起させながら、0.1より小さい数の必要性について考えます。
たとえば、水のかさを測る場面で「0.2と0.3の間に水面がある」という状況を提示し、もっと細かい数が必要だと児童が実感できるようにします。
このとき、めもりがどんどん細かくなるイメージを持たせるために、めもりの拡大アニメーションなど、視覚的な工夫が効果的です。

続いて、1を10等分して0.1になることを確認し、「では、その0.1をさらに10等分するとどうなるか?」という予想を促します。
この段階では児童に「そうではないか」と感じさせる予想までで十分です。0.01という表記や意味については、教師が明確に説明します(児童が導き出す学習ではありません)。
また、「1.28」を「一点二十八」とは読まないことも、丁寧に指導する必要があります。「1と0.28」であることを強調し、正しい読み方に慣れさせます。
小数のしくみ(第2時)
この時は、0.01よりも小さい数の表し方に目を向けます。
第1時での学習をもとに、「0.01も10等分すれば、さらに小さい数が表せるのではないか?」という児童の予想を引き出します。
0.001という数の導入は、児童が「必要性を感じたところ」で示すと効果的です。
授業の終わりには、「どんなに小さな数でも表現できる」という小数の表現の広がりに気づかせ、数の世界の奥深さや面白さを実感できるように導きます。
小数のしくみ(第3時)
1、0.1、0.01、0.001の関係性を学びます。
整数での「1、10、100、1000」の関係を思い出させながら、今度は1を基準にして10分の1ずつ小さくなる数を確認します。
その際、「10倍・100倍・1000倍」の逆、「10分の1・100分の1・1000分の1」の関係に目を向けさせ、位取り記数法の拡張として理解を深めます。
「10分の1の位」や「100分の1の位」など、慣れない言葉が登場するため、誤用(例:「2分の1の位」や「小数第10位」など)を防ぐために、具体例や視覚資料を活用して明確に説明します。
小数のしくみ(第4時)
小数の大きさの比較を行います。
位取り表や数直線を活用し、どの位に注目すればよいかを考えさせます。
また、0.01を「もとにする数」として、何個分で表せるかという視点からの大小比較にも挑戦させます。
数直線では「何を10等分しているのか」を意識させ、1目盛りの大きさを正確に捉えられるように指導します。
小数のしくみ(第5時)
小数を10倍・1/10にする学習です。
整数のときと同様に、位取り表を使って、位が1つ上がる・下がるという視覚的な理解を促します。
教科書には明示されていないものの、「小数点が右に1つ動く(10倍)」「左に1つ動く(1/10)」という視点は、小数の乗除計算で重要になるため、ここで押さえておくと効果的です。
小数のしくみ(第6時)
0.01をもとにした表現に取り組みます。
小数タイルなどの教具を活用し、数を視覚的・具体的にとらえる活動を行います。
このとき、位をそろえて数を書くと比較・計算がしやすいことも指導のポイントです。
小数のしくみ(第7時)
小数のたし算の導入です。
整数の計算と同様に、「もとにする数のいくつ分か」として考える視点を活用します。
例)「17万+26万」を「1万が17+26で43個分」ととらえるように、「0.1がいくつ分」などで計算を簡単にできないかを考えさせます。
小数のしくみ(第8時)
小数のたし算の発展です。
「3.6+0.835」のような異なる位数の小数同士の計算では、最も小さい位(0.001)をもとに統一する必要があることを指導します。
例)3.6を3.600とし、位をそろえて筆算することで計算がしやすくなります。
「0を補って考える」ことに不安を感じる児童もいるため、根拠とともに納得できる説明が大切です。
小数のしくみ(第9時)
小数のひき算の導入です。
たし算で学んだ方法を応用し、児童が主体的に考えて取り組めるようにします。
筆算では、位のそろえ方や0の補い方が鍵になります。
小数のしくみ(第10時)
小数のひき算の発展です。
「3.6-0.835」など、位の異なる小数同士の計算では、「空位に0を入れる」「位をそろえて筆算する」ことの大切さを確認します。
筆算の書き方が丁寧であれば、整数の計算と同じように処理できることを意識させます。
小数のしくみ(第11時)
小数の多様な表現に取り組みます。
「3.45」を、友達に「三点四五」と言わずに伝えるには?というゲーム的な課題を通じて、数の構造理解を深めます。
例として:
- 3と0.45を合わせた数
- 1の位が3、1/10の位が4、1/100の位が5
- 0.01が345こ分
- 4より0.55小さい数
- 3+0.45、10−6.55 など
同じ数でも多様な視点・方法で表せることに気づかせ、数の多面的なとらえ方を育みます。
小数のしくみ(第12時)
これまでに学習した内容を活用して、身近な問題を解決する活動を行います。
「小数を使えるようになってよかった!」と児童が実感できるような、意味のある課題設定を心がけます。
小数のしくみ(第13時)
単元のまとめ・振り返りを行います。
「できるようになったこと」と「苦手なところ」を自分で振り返り、必要に応じて個別に再学習を促します。
間違いがあった場合には、なぜそう考えてしまったのか・どこが曖昧だったのかを分析し、次に活かす「リフレクションの視点」を育てます。
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