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6年生の算数『分数のわり算』の単元において、児童のノート見本の全時間分をまとめました。各ページの周囲には、授業づくりのポイントや発問例、つまずきやすい箇所への支援も掲載しています。ノートをそのまま板書計画やワークシートの参考にしていただけます。
使用している教科書は東京書籍ですが、他の教科書会社でも数値や言い回しの違いはあるものの、基本的な学習の流れは同じですので、十分ご活用いただけると思います。
各画像をクリックすると、PDF形式でダウンロードが可能です。一番下には、まとめて一括でダウンロードできるリンクも用意しています。
授業準備の時間短縮や、板書の事前検討にご活用ください。
分数のわり算(第1時)
【めあて】分数のわり算の意味や立式のしかたを考えよう

第1時では、分数÷分数の立式までが目標です。
まずは小数÷小数の場面(たとえば「0.4mのリボンで何人分作れるか?」)を想起させ、続けて「2/5mのリボンで1人分が3/4mの長さなら、何人分作れる?」というような具体的な場面を提示します。
ここでは、二重数直線を使って、わり算の意味を視覚的に捉えさせることが重要です。逆数を学習している児童が、「2/5 ÷ 3/4って、2/5 × 4/3になるんじゃないの?」と気づくこともあるかもしれません。
ただし、本時では“逆数”や“かけ算に直す”という考えは深掘りせず、「なるほど、なんでそうなるんだろうね?」と疑問を持たせた状態で次時につなげるのが効果的です。
分数のわり算(第2時)
【めあて】分数のわり算の計算の仕方を考えよう

本時では、わり算の性質「割る数と割られる数の両方に同じ数をかけても(または割っても)、商は変わらない」を確認した上で、分数÷分数の計算式の変形に取り組みます。
教科書の穴埋め問題や一斉指導が有効で、
- 割る数の分母と分子を入れ替える意味
- 「かけて1にする(逆数を使う)」という感覚
を、図や色ペン、操作活動を通して丁寧に扱うと理解が深まります。
この時点で児童に「なぜ“わる”が“かける”に変わるのか」をじっくり考えさせる時間を設けることが、定着につながります。
分数のわり算(第3時)
【めあて】分数のわり算の計算に慣れよう(約分をふまえて)

この時間からは、実際に計算問題を解いていく時間になります。
例:6/7 ÷ 3/5 のような計算では、
- 6/7 × 5/3 に直す
- 約分する
- 計算結果を出す
という手順を1つ1つ確実に身につけさせることが大切です。
「どこで約分するのがよいか」「どのペアが約分できるか」をペアワークなどで考えさせ、素因数分解や倍数の知識とのつながりも意識させると、思考の幅が広がります。
時間がある場合には、約数について振り返り、すぐに約分ができるかどうかを判断できるようにさせたいです。すぐに割り切れるかどうか判別する方法は別のページにまとめました。
分数のわり算(第4時)
【めあて】整数や帯分数を含む分数のわり算の計算をしよう

整数や帯分数を分数に直して計算する場面です。
「2 ÷ 3/4」や「1と1/3 ÷ 2/5」などを扱いますが、難易度は高くないため、自力解決の時間を多くとることが可能です。
二重数直線を使って、「1と1/3は1より大きい?」「2/3は?」と問いかけ、数の大小や位置関係の感覚を育てる場面にもなります。
分数のわり算(第5時)
【めあて】分数の文章題を分数のわり算を使って解こう

ここまで毎時間登場している二重数直線を活用し、立式力を高めることが中心です。児童にも、「自分で場面をつくってみよう」と文章題を創作させる活動を取り入れると、式と場面の対応関係が明確になります。
たとえば:
- 「1リットルの水で、1/4リットルずつ使うと何回分になる?」
- 「3/5mのリボンを使って、1/10mの飾りをいくつ作れる?」
といったように、身の回りの題材を使った課題提示が効果的です。
分数のわり算(第6時)
【めあて】分数や小数、整数がまじったかけ算やわり算の仕方を考えよう

本時は、分数・小数・整数が混ざった計算に取り組みます。
例:1.2 ÷ 3/5 や、2 ÷ 0.3 など。
ここでは、「分数にそろえて計算したほうが、正確に答えられる」という気づきが生まれるようにします。
小数が割り切れない場合(例:1 ÷ 3)に「小数より分数の方が便利なときがある」といった数学的な見方・考え方(見通し・選択)を育てるチャンスです。
また、「中学校以降では、計算は分数で行うことが一般的」ということも、先の見通しとして伝えておくと、児童の納得感も高まります。
分数のわり算(第7時)
【めあて】分数のわり算の学習で、できるようになったことを確認しよう

学習を通して、できるようになったことを確認します。間違えた問題は教科書やノートを戻り、きちんと理解ができているのか再確認させたいです。
練習問題への楽しい取り組ませ方は別のページにまとめました。
おわりに
全7時間のノートと指導ポイントを通して、分数のわり算に対する理解が深まり、児童が自信をもって活用できるようになります。
「なぜ、そうなるのか?」「どんな場面で使うのか?」を大切にすることで、意味理解と計算力がともに育ちます。
ぜひ、授業準備や実践の参考にしてください。
分数のイメージについても、まとめてあります。
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