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データをダウンロードした際には正しく表記されます。
「授業開きや授業参観、子どもたちが集中して楽しく学べる授業にしたい」
「児童がどんどん発言してくれる、活気のある授業にしたい」
そう考える先生方にぴったりなのが、中江俊夫さんの詩『たべもの』を使ったオノマトペの授業です。
この詩は、食べ物を食べたときの音や食感をオノマトペ(擬音語・擬態語)で表現しており、
「たしかにそんな音がするね!」「私のイメージとはちょっと違うかも?」
と、児童が自由な発想で意見を交わせる題材です。
私が実際に行った授業の展開例と発問、使用した学習プリントを紹介します。

授業の流れと展開
① 『オノマトペ』という言葉の確認
授業の冒頭では、意図的にいろいろな「音」を出して児童の注意を引きます。
- 教室のドアを開ける → 「がらがら」
- 大げさに歩いてみる → 「どすどす」
- 黒板を強く消す → 「きゅっきゅ」
「今、どんな音が聞こえた?」と問いかけ、児童にオノマトペを発表してもらいます。
続いて、音だけでなく様子を表すオノマトペにも注目します。
- 「キラキラ輝く星」
- 「ニコニコ笑う顔」
これらもすべて、オノマトペ(擬音語・擬態語)であることを確認します。
② 詩『たべもの』の紹介と見通しづくり
「今日の学習では、中江俊夫さんの『たべもの』という詩を使って学習します」と伝え、
一部が空欄になった詩のプリントを配布します。
※空欄の位置や数は、学年や児童の実態に応じて調整してください。
画像をクリックするとWord文書をダウンロードできます。

③ 詩を観察して気づいたことを共有
配布したプリントを見ながら、児童に気づいたことを発表してもらいます。
- 上の段にはオノマトペ
- 下の段には食べ物の名前
- オノマトペは食べたときの音や食感を表している
といったポイントをみんなで整理します。
④ 空欄に自分の考えを入れてみよう
もこもこ さといも
の次に来る「ほこほこ」に合う食べ物をみんなで考えます。
- 中江さんの詩では「さつまいも」
- でも「じゃがいも」「肉まん」など、子どもによってさまざまな意見が出ます
その場合には、
「あなたの考えもすてきだね。それは、あなたの『たべもの』の詩だよ。」
と声をかけ、自分の感じ方を大切にする姿勢を育てます。
プリントの空欄には、
- 四角の中:自分が考えた食べ物
- 四角の下:中江さんの詩で使われていた食べ物
をそれぞれ記入するように声をかけます。
⑤ 詩を完成させ、みんなで読む
さつまいも以降の空欄については、一人で考える時間を設けます。
児童の実態に応じて、一文ずつ、みんなで考えてもいいです。授業参観では、親子一緒に考えてもOKとしたり、保護者にもプリントを配布して考えてもらうように声を掛けます。
時間を取ったあと、みんなで意見を出し合って詩を完成させます。
「自分の考えが中江さんと違っても間違いではない」という前提を、繰り返し伝えましょう。
※児童が全員違う答えでもOKです。授業参観では、中江さんの考えた食べ物が出てこないときには、保護者の意見も取り入れると盛り上がります。
完成したら、全員で楽しく朗読します。
「ほかほか」などを読みながら、手を口に当てながら読む児童がいたら紹介して、表現を体で楽しむ活動につなげましょう。
⑥ オリジナルの詩を創作してみよう
最後は、学んだオノマトペを使って自分たちの詩をつくる活動です。
授業参観では、『かあさん』という題名で詩をつくりました。
例:
にこにこ かあさん
ぷんぷん かあさん
ぐーぐー かあさん
いらいら かあさん
ある児童が「いらいら かあさん」と発表したとき、
その保護者が「じゃあ今日の夕飯は白ご飯だけね!」と返して、
「わっ、本当に“いらいら”になっちゃった!」と教室中が笑いに包まれた場面もありました。
※母親がいない児童がいる場合には、「○○先生」などに変更する配慮をしましょう。
おわりに
中江俊夫さんの詩『たべもの』を使ったこの授業は、
- 自由な発想
- 子どもの感性
- 音と感覚の面白さ
を引き出すことができ、授業開きや授業参観に最適です。
子どもたちも保護者も一緒に楽しめる、あたたかい時間になりますよ。
▶ 全発問はこちらからダウンロードできます。
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