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― 想像と言葉と手をつなぐ、教科横断的な授業提案 ―
はじめに:図工も国語も「表現」がキーワード
図工と国語。どちらも「表現」を扱う教科ですが、それぞれに役割があります。
- 国語:言葉でイメージを伝える
- 図工:形や色で思いを可視化する
この2つを横断的に結びつけることで、子どもたちの“創造力”が一気に広がる授業になります。今回は、実際に取り組める「ものがたり工作」のアイデアをご紹介します。
活動テーマ:「空想の世界を形にしよう!」
ステップ1:国語で“場面づくり”
まずは子どもたちにオリジナルの物語、あるいは読んだ物語の「好きな場面」を短く文章で書いてもらいます。
ポイント:
- 「主人公はだれ?」「どこで?」「どんなことが起きた?」を明確に
- 感情や音、動きなど五感で描写させる
(例)
ぼくは森の中で、話すキツネと出会った。風が葉っぱをゆらし、キツネのしっぽがふわっと揺れた。
ステップ2:図工で“物語のジオラマ”づくり
書いた場面をもとに、立体的な工作(ジオラマ・ボックスアートなど)で再現します。
素材例:
- 空き箱、紙粘土、折り紙、毛糸、アルミホイル、自然素材(木の枝、石)など
- 背景にセリフカードや説明ラベルも貼る
工夫のポイント:
- 「どの瞬間を切り取るか」=構図の意識
- 動きや時間を感じさせるパーツ(例:風に舞う葉・動く仕掛け)
- 描写した“音”や“におい”も色や形で表現
合同発表会:「わたしの物語の世界へようこそ」
完成した作品は「図工室を美術館」にして発表会を行うと、教室が一気に“想像の世界”になります。
児童には、他の子の作品を「物語カードを読んで→工作を見る」という流れで鑑賞させます。
おすすめの鑑賞ワーク:
- 「この物語の主人公になったら何をする?」
- 「つぎの場面はどんなふうに続く?」
- 「ほかの材料を使うなら何にしたい?」
子どもたちの反応(実践例より):
- 「自分の頭の中が形になって楽しかった!」
- 「言葉で考えてから作ったから、イメージしやすかった」
- 「人の物語を見て、もっといい表現を思いついた」
おわりに:教科を“つなぐ”ことで、学びが深まる
図工×国語の「ものがたり工作」は、単なる活動の融合ではなく、言葉と思考、感情と創作をつなぐ深い学びの機会です。
言葉からイメージし、それを形にする。創ったものを、また言葉で伝える。そんな循環を授業に取り入れてみませんか?
「教科横断」は特別なことではなく、“子どもたちの世界観を広げる手段”です。
ぜひ、物語を“立体”で感じる図工の時間をお試しください。
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