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はじめに:調理実習は“家庭科らしさ”が見える場面
6年生になると、包丁やコンロの使用にも慣れてきて、本格的な調理実習が可能になります。しかし、実習の場面では、つい教員が「手を出しすぎてしまう」ことも多く、児童が自分で考え、工夫する余地が奪われてしまうことがあります。
調理実習において「教えすぎない」「でも安全には配慮する」ための工夫を紹介します。
1. 「完璧な見本」より「実物+ちょっとしたヒント」
調理前の説明でありがちなのが、手順を細かく全部説明しすぎること。
でも、すべてを伝えてしまうと“自分たちで考える”という機会が失われます。
工夫ポイント:
- 見本は一部の工程だけ見せる(例:切り方や盛り付けだけ)
- 「どうやったら火が均等に通るかな?」など、問いかけを残す
2. 班ごとに「作戦タイム」を入れる
実習開始直後にすぐ作業を始めるのではなく、班で5分間の作戦タイムを設けましょう。
効果:
- 手順の分担や流れを班で話し合える
- 覚えていないことに気づく機会になる
- 「自分たちの調理」という意識が高まる
3. トラブルも“学びの種”にする
調理中に材料を焦がしてしまったり、味が薄くなってしまったりすることもあります。そんな時こそ、「失敗=学びの機会」として捉えることが大切です。
教員の対応例:
- 「どうしてこうなったのかな?」と問い返す
- 「次にこうするといいかもね」と改善を提案する
- 「味見して、何が足りないか考えてみよう」と促す
4. 振り返りを“感想”で終わらせない
よくある振り返りのワークは、「楽しかった」「うまくできた」などの感想で終わってしまいがちです。
でも、調理実習では次回への改善につながる“自己評価”の視点が大切です。
具体的な問いかけ:
- 今回、自分が一番がんばったことは?
- 次に作るときに変えたいことは?
- 家でも作ってみたいと思った?理由は?
おわりに:児童に“任せること”は教員の勇気
「教えすぎない授業」は、放任ではありません。児童が主体的に学ぶための“見守り型支援”です。安全を守りながら、あえて教えすぎないことで、子どもたちの観察力・協力・判断力が育まれます。
6年生だからこそできる“自分たちで完成させる調理実習”。ぜひ、教室で実践してみてください。
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